どこに行っても 改善しない痛みには理由があります。
シンスプリントとは

シンスプリントは、脛骨(けいこつ)の内側や外側に痛みが生じるスポーツ障害の総称です。正式名称は「脛骨疲労性骨膜炎(けいこつひろうせいこつまくえん)」と言います。特にランニングやジャンプを繰り返す競技の選手に多く見られ、成長期の子供や運動を始めたばかりの人にも発症しやすいのが特徴です。
シンスプリントのメカニズム
シンスプリントは、脛骨を取り巻く骨膜が、筋肉の牽引力によって炎症を起こすことで発症します。運動時の衝撃や、筋肉の柔軟性不足などが原因で、骨膜に過剰な負荷がかかると、微細な損傷が蓄積し、痛みが生じます。
シンスプリントの主な原因
①オーバーユース(使いすぎ):ランニングやジャンプなどの運動を過度に行うことで、脛骨に繰り返し負荷がかかり、骨膜が炎症を起こします。特に、運動を始めたばかりの時期や、練習量を急に増やした時期に発症しやすいです。
②筋肉の柔軟性不足:ふくらはぎや足首の筋肉が硬いと、運動時に脛骨への負担が増加し、骨膜炎を引き起こしやすくなります。
③足部の異常:扁平足や回内足(かかとが内側に倒れる足)などの足部の異常があると、運動時の衝撃が脛骨に集中し、骨膜炎のリスクが高まります。
④不適切なシューズ:クッション性の低いシューズや、足に合わないシューズを履いていると、運動時の衝撃を吸収できず、脛骨への負担が増加します。
⑤硬い路面での運動:アスファルトなどの硬い路面で運動すると、足への衝撃が大きくなり、骨膜炎を発症しやすくなります。
⑥筋力不足:下腿の筋力が不足していると、運動時の衝撃を吸収できず、骨膜への負担が増加します。
シンスプリントの主な症状
①脛骨内側または外側の痛み:初期は運動時に痛みを感じ、安静にすると軽減します。進行すると、安静時や日常生活でも痛みを感じるようになります。
②圧痛:脛骨の内側または外側を押すと痛みがあります。
③腫れや熱感:患部に軽度の腫れや熱感が生じることがあります。
④運動後の痛み:運動後に痛みが悪化することがあります。
シンスプリントの重症度分類
シンスプリントの重症度は、以下の4段階に分類されます。
ステージ1:運動後にのみ痛みを感じる。
ステージ2:運動中に痛みを感じ、運動後に痛みが残る。
ステージ3:日常生活でも痛みを感じる。
ステージ4:疲労骨折のリスクが高い状態。
シンスプリントの治療法
①安静:痛みが強い時期は、運動を中止し、安静にすることが重要です。
②アイシング:患部を冷やすことで、炎症を抑え、痛みを軽減します。
③ストレッチ:ふくらはぎや足首のストレッチを行い、筋肉の柔軟性を高めます。
④物理療法:超音波治療や電気治療などを行い、痛みを緩和し、組織の修復を促します。
⑤インソール:足部の異常がある場合は、インソールを使用することで、足への負担を軽減します。
⑥薬物療法:痛みが強い場合は、鎮痛薬や湿布薬を使用することもあります。
⑦リハビリテーション:痛みが落ち着いてきたら、運動療法を行い、筋力や柔軟性を回復させます。
⑧手術:重度の場合は、手術が必要になることもあります。
シンスプリントの予防法
ウォーミングアップとクールダウン:運動前後に十分なウォーミングアップとクールダウンを行い、筋肉の柔軟性を高めます。
適切なシューズ:クッション性の高いシューズや、足に合ったシューズを選びましょう。
運動量の調整:運動量を徐々に増やし、オーバーユースを避けましょう。
硬い路面を避ける:できるだけ柔らかい路面で運動するようにしましょう。
筋力トレーニング:下腿の筋力トレーニングを行い、足への負担を軽減します。
ストレッチ:日頃からふくらはぎや足首のストレッチを行い、筋肉の柔軟性を維持しましょう。
シンスプリントの注意点シンスプリントは、疲労骨折と間違えやすい疾患です。
自己判断で治療せず、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
痛みが強い時期に無理に運動を続けると、症状が悪化する可能性があります。
シンスプリントは、適切な治療と予防を行うことで、早期に回復し、スポーツ復帰も可能です。、スポーツ復帰も可能です。